100円ショップの近接スイッチ付ライト計算


Tr1のベース電流

Tr1のベース電流の経路を考えます。電池→1.5MΩ→Tr1ベース・エミッタ→Tr2ベース・エミッタ→電池
トランジスタのベース・エミッタ間電圧:手元のデータシート(2SC1815)を見ると
VBE:測定条件Ic100mA Ib10mA で最大1V としか書いてありません。これじゃ良くわからないのでグラフを見ます。
温度条件により0.4Vから0.9Vまで変化していることが解ります。 温度条件が25℃でベース電流が数μAの場合0.6Vになっています。
したがって0.6Vとして計算します。 電源電圧4.5Vは1.5Mの抵抗と0.6VのTr 2個に分圧されます。
1.5MΩの抵抗の電圧は4.5V-0.6-0.6=3.3V:電流=3.3/1.5=2.2 2.2μAと計算できます。

電流制限抵抗はいらないのか

LR44*3でLED2個に直接電流を流したところ3.7Vとなり70mAでした。 公称電圧は4.5Vなので、差の0.8VがLR44の出力抵抗で消費されていると考えることができます。 抵抗値=0.8/0.07=11.4Ω
ベース電流2.2μAでhfe10000(2個で)の22mAならトランジスタで電流制限がかかることになります。

ロープライスのおもちゃ商品。このまま使うには制限抵抗は不要です。しかし、これを改造して単1を3本にしたりすると大きな電流が流れる場合があります。 トランジスタのhfe=100と仮定しましたが、500を超える品種もあります。500なら2.2*250000=550000=550mAにもなります。

電子回路の設計(改造含む)はすべての条件を考慮する必要があります。


20mAの電流制限抵抗をつけるとしたら

トランジスタなしで20mAに制限する場合の抵抗値
電流制限抵抗の電圧降下は4.5-3.7=0.8Vなので、抵抗は0.8/0.02=40Ω。
LR44の出力抵抗分として10Ω差引29Ω
27・30・33Ωのいずれかが適切な抵抗値と計算できます。



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